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“子供の成長は家庭の安定にあり”幸せな家庭づくりで大切な夫婦の心構えや具体的な行動は何でしょう

 

 卒業や入園の催事が過ぎて少し安堵する時期である。最近はどちらの節目の行事も幼保ともご夫婦での出席が多く、長年従事する私には隔世の感がある。核家族、共働き世帯が増えた今日、我が子の新たな門出の催事に夫婦揃って臨むことは和やかで良い。一方で、時間的にも精神的にも家族との関わりの困難さを訴える声が世間には多いのも事実。妻や子供とうまい関係が築けず悩む父親もいれば、育児での悩みで相談する機会や人に恵まれず、子育てに孤独を感じる母親も少なくない。当然、こうした夫婦の状況は家庭環境に影響し、子育てに良くないのは想像に難くない。家庭環境がガタガタだと子どもの心が安定しないので、学力も伸びず、ひいては将来の社会的成功や幸福感にも悪い影響を与える。「何が人を幸せにするか」という米国ハーバード大学(2013年発表)の調査報告がある。同大学は、75年間かけて、268名の男性について大学在学時から社会人になるまで追跡し、IQや生活習慣、家族との関係等あらゆる角度から分析した。結果、幼少期に母親と温かい関係を築けていた男性は、そうでないのと比べて年収が平均87,000ドルも高いとの結果が出た。このことから、将来我が子が社会で成功するためには母親との関係が事を左右すると言えそうだ。
 「子供の成長には家庭環境の安定が不可欠」は当然としても、具体策がボンヤリとしては何にもならない。その方策について「花まる学習会」設立で著名な高濱正伸先生は、世の父親に対して強烈でしびれるメッセージを発信しているので紹介する。以下…『「父親の第一の仕事は妻を笑顔にすること」である。社会環境が変わっていく中で、子供の将来を左右する安定した家庭環境や良好な母子関係の実現にはますます父親の役割が大きい。その役割とは流行の“イクメン”でなく、あくまでも「妻を笑顔にすること」、母親として安心して家事・育児に取り組めるよう全力で支えてあげることにある。大事なこととして、夫婦関係を恋愛の延長で捉えたり、家庭を安らぎの場であるとの認識を思い切ってやめ、夫婦関係や家庭を日々働いている職場と同様の「戦場」と捉え、子供の将来のために「妻を本気で笑顔にするんだ」「俺は妻のためならなんでもできる」と覚悟を決めること。これが安定した家庭を築く第一歩である。』『また、「夫婦はお互い別世界の生き物だと認識し、何があっても子供の幸せのために頑張るパートナーだと考える。お互いに違う存在と認識すれば、大概のことは許容できるようになる。男性は何事にも論理的に考えたり、何らかの結論を出したがるが、女性は必ずしもそうでない場合があるので、妻の相談に早急な結論や理屈で返すことは適当ではない。とにかく話を聞いて共感することが大事。そうすることで自然と悩みが収まっていくことが多い。また妻の相談からは、どんなに忙しくても疲れていても逃げないで向き合うことが大事。「どうしたの」「何かあったの」と心理的な距離を詰めていくことで「あなたのことが心配なんだよ」という夫の思いも伝わり、妻の心も自然に落ち着いていく』…以上。
 高濱先生の主張で目を惹くのは、父親は母親の代わりをやるのではなく、夫・父である男として家庭の中で役割を全うせよ、ということだろう。これは至極当然のことで、性別が異なる以上、男女で得意不得意があることも認めたうえで家庭を築く方がより建設的である。例えば、母親は我が子の出産から幸福ホルモン・オキシトシンの分泌も相まって無心で愛情を注いで子育てする。それは我が子のためを思った愛情だけに尊いのだが、分泌の具合如何で時々は問題も生じることもある。一般的に女性は男性に比べて感情が細やかで起伏も大きいと言われるが、子育て中の母親は我が子ゆえの感覚が強くなりすぎると、本意に反して公平な判断から外れて子育てでもマイナスに働くこともある。一方、父親は母親と比べると家庭外が多いので、一般的には言葉の使い方にも厳密性も高く論理的思考は母親より父親が得意とされる。よって、日頃から正確な言葉遣いを子供の前では話すようにすると、子供の学力にもいい影響があるようだ。このように、性差がある以上、それを味方につけた方が、より良い家庭を築けるはずである。妻が夫に求めているのは、家事・育児の作業代行ではなく、妻を気遣って笑顔にさせること、そして子供と思い切り遊んで喜ばせてやることが本質なのである。
 以上、家庭の安定のために夫・父として果たすべき役割を記してきた。これをいざ実行、となると大変そうに感じるかもしれないが、幼少期なら慣れてきてきっと上手くいく。なお、母親には上智大の故・渡部昇一教授の名言を紹介する。以下‥『父親の権威を立てないために、どれくらいの家庭で不幸が起こっていることか。「お父さんは偉いんだ」と母親が少しでも仰ぎ見させる癖をつけておくと、いざ非行に走る段に、親父がガンといえば終わる。「お父さんは駄目な人。あんな真似しては駄目」などといっていたら、本当に駄目になる』。昔の子育てのようにも聞こえるが、高濱先生が主張する子育てのために夫婦の役割を上手く活用すべし、と全く重なる。皆さんのご家庭はいかがでしょう。今一度、夫婦のあり方を自分自身に問うてみて下さい。

 
 
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