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本書は「東京いずみ幼稚園」で40年以上にわたって実践してきた音読指導と、実際に使用してきたテキストを基に、当園が初めて制作に当たった音読用ドリルです。来園された方々は、『論語』や漢文、百人一首など、大人でも難しい文章をすらすら音読する3、4歳の園児の姿に大変驚かれますが、東京いずみ幼稚園式の音読を、ぜひご家庭でも楽しんでいただければ考え、本書を企画しました。

子どもたちの心身の成長に適った「適時教育」を実践すれば、できない子は一人もいないというのが私の実感です。また、「幼児は心身ともに未熟で何もできないのが当たり前」という認識も、大人の決めつけにすぎないことを園児の姿から教えられました。
「幼児に古典や漢文を読ませる必要があるのですか」という声もあります。でも、たとえそのときは意味が分からなくても、よい文、美しい言葉を目にし、耳にし、口ずさんでインプットしておけば、子どもが成長するどこかのタイミングで「ああ、これはあのことか」と気づき、理解を深めることができるでしょう。実際に、中学校で古文・漢文の授業が始まった時に、「文法などを気にせずとも、内容がスラスラ頭に入っていく感覚があった」といった感想を卒園児からいただくことも少なくありません。

何よりも大切なのは、親自身が子どもと一緒に楽しむことです。そして、子どもができたことを心から喜び、心から褒めてあげることです。そうすれば子どもは自然に伸びていきますし、それが親自身の成長にもつながります。その意味では、本書は子どもの国語力を高めるための本であると同時に、親の力を高めるための本でもあるのです。どうか親子で一緒に、声に出して、楽しく本書を読んでみてください。

※本書「おわりに」より抜粋・再編集しました。


学校法人小泉学園 理事長
東京いずみ幼稚園 園長
小泉 敏男
『国語に強くなる音読ドリル』5つの特長

1.卒園児の平均IQは驚異の120以上
卒園児の平均IQ120以上(通常は平均100)。近年、“教科書が読めない子どもたち”が社会問題となっていますが、語彙力や漢字力を鍛える音読は、読解力向上のベースとなります。それによって身についた国語力こそが、子どもたちの学力全体を押し上げてくれることでしょう。AI時代を生き抜く力にもなります。

2.漢字仮名交じりの古文・漢文をすらすら読めるようになる
東京いずみ幼稚園で実際に使用されている9冊の音読用テキストから、『平家物語』『源氏物語』『論語』など、大人でも難しいような漢字仮名混じりの古文・漢文をはじめ、日本語の美しさ、豊かさ、深さに大人も思わず声に出してしまいたくなるバラエティ豊かな51作品を厳選して1冊に収録。漢字教育の第一人者として知られた故・石井勲氏が提唱する「石井式漢字教育」の考えをベースに、難解な漢字にもすべて読み仮名を振ってそのまま収録しています。

3.楽しく音読するためのメソッドを初公開  
家庭内で音読を楽しく実践し、継続するための秘訣を本書巻頭に紹介。現園長と副園長自らが監修に当たり、同園で長年にわたり培ってきた独自メソッドを初めて公開しています。

4.東京いずみ幼稚園に通えないご家庭にも
入園を熱望する子育て家庭が園近隣に移住する例も少なくありません。いままでこの園に通うことのできなかった地域の方や、保育園に通う子どもたちにも、東京いずみ幼稚園式の音読を実践するチャンスが訪れます。

5.音読の宿題にも効果を発揮
小学生になると、毎日の宿題として出されることの多い音読。「小1の壁」とも言われるように、共働き家庭では、仕事と家庭の両立が難しく、特に音読の宿題は保護者が毎日確認してチェックをすることになるので、大変だという声をよく耳にします。幼年期から本書で音読に親しむことで、集中して文字を読む力と耐性が養われ、自信に繋がります。

◇◆東京いずみ幼稚園に通われる保護者の声◆◇

  • 「家族全員で一緒に音読しました。子どもは耳から入った情報をすぐに覚えるので長文の音読も苦ではなかったようです」.
  • 「一番驚いたのは、3歳になったばかりの娘が『竹』や『三人吉三廓初買』を暗唱したことです。年齢に関係なく何でも楽しく一緒に行えば、子どもの才能は伸ばせるんだと実感しました」

 

 

2015年10月13日(火)、『東京いずみ幼稚園式 美しい日本語が、心の強い子を育てる』が出版されました。本園の教育の中核であることばの教育を中心に、心の強い子の育て方をわかりやすく紹介しています。

私が父とともにこの東京いずみ幼稚園を創立して今年で40年になります。この40年の実践で分かったことは、子ども達には世間で考えられているよりも素晴らしい力があるということです。
漢字かな交じり文の絵本をすらすらと読み、俳句や短歌、論語を楽しそうにそらんじて見せてくれます。
皆で音高正しく、美しい頭声発声で二部合唱を聴かせてくれます。小さな手で楽器を操り、クラシックの名曲を合奏して聴かせてくれます。

運動会やお遊戯会、定期演奏会など、大きな舞台を目標に、練習でも本番でも素晴らしい集中力を見せてくれます。
「幼児はこんなもん」という“世間の常識”では考えられないような姿を、子ども達は見せてくれます。
近年では、こうした教育成果がテレビ等でも取り上げられるようになり、取材を受けることも多くなりました。こうした実践から分かった「子育ての真理めいたもの」をいずれは本にまとめようと考えていたところ、今年の1月に㈱宝島社からの依頼を受け、この度出版する運びとなりました。

今回の書籍は、本園の教育の柱である日本語教育を中心に、子育ての基本的な考え方や具体的な方法についてまとめました。子どもが成長する上で、ことばの獲得はとても大切です。語彙力が増してくれば、考える力がつき、それが様々なところへ波及していきます。
また、よいものを繰り返し繰り返し与えることも大切です。子ども達は、繰り返すことが大好きです。繰り返すうちにできることが増えて自信がつき、他のことにも積極的に取り組めるようになります。
幼児の特性に基づいた教育を行えば、どの子も目覚ましい成長を遂げ、心の強い子に育ちます。

巷では教育や子育ての情報が溢れていますが、今の子育ては混乱しているように思います。それは子育てをする親御さんが、たくさんの情報に惑わされて、大切にすべき勘どころを捉えていないからだと思います。私は、「子育ては、本当はとてもシンプルで簡単」なものだと思います。その勘どころさえ押さえれば、間違いなく子どものためになります。同時に、親御さんも我が子の素晴らしさに気づき、子育てがぐっと楽しくなる筈です。また、ご家庭でも実践できる教育方法など子育てのヒントも満載です。現在、子育てに奮闘されている親御さんに役立つ内容です。

幼稚園創立40周年の節目の年に、こうした書籍を刊行することができ、喜びも一入(ひとしお)です。是非とも、多くの皆様に手に取って頂き、「シンプルな子育て」を実践して頂きたいと思います。

学校法人小泉学園 理事長
東京いずみ幼稚園 園長
小泉 敏男
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