東京いずみ幼稚園同窓会
 
今輝いている卒業生にインタビュー 

第7回 魚山果穂奈さん

 
筑波大学社会・国際学群 国際総合学類に在籍中の魚山果穂奈さん。グローバル化する社会におけるリーダーとして幅広く活躍できる人材の育成を目指している国際バカロレアを目指したきっかけや、筑波大学へ進学したいきさつなどについて語っていただきました。
マラソン大会は悔しい思い出
―幼稚園の事を覚えていますか?
果穂奈
 年少は薔薇組で、青木千恵先生でした。アイマスクでピアニーを弾いていた時だったと思いますが、注意された事がありました。普段はあまり目立たない私で、あまり何か言われることがなかったのですが、その時はちゃんと先生に見られているなと感じました。年中の担任は岡村英佳先生、年長の担任は若狭舞先生で、優しく見守ってくれた記憶があります。
 家ではよく話題に出るのが、年少の時に母が入院した際に一度だけ預かり保育でお世話になったエピソードです。私が極度の人見知りだったこともありますが、預かり保育も初めて、お友達もいなければ上の学年の知らない人もいるという状況が重なり、泣いてしまったらしいです。ずっと泣いていたかは覚えていませんが、仕事中だった父が18時に迎えに来た時は大泣きの状態。その時に引き渡してくれたのが青木先生だったという話を今でも父が面白く話しています。好きな活動は体育で、走ることが大好きで得意でしたし、縄跳びの授業で日野裕樹先生に褒められたことは嬉しかったですね。一番思い出に残っているのは、マラソン大会です。駆けっこでは一等賞を取っていたのに、マラソン大会では入賞することができなくて。とても悔しい思いをしたので、今でも覚えています。
―年長のお遊戯会では、『ライオンキング』のハイエナのボス役でしたね。
果穂奈  強い性格ではないし、誰かを引っ張るリーダーでもなかったのに、ビックリしました。しかも女ボス( 笑)
演目が終わった後は、大盛況だったようですが、主役のヒーロー、ヒロインに選ばれたお友達は本当に適役で上手でした。セリフがとても多かったのに、凄かったですね。
 
「まずは、母国語の日本語をしっかりと学ぶ事が大切」
―小さい頃に興味があった事や、ご家庭の方針はありましたか?
果穂奈
 小さい頃は夜寝る前に母に絵本を読んでもらうのが日課でしたね。父もたまに読んでくれました。実は家には父が好きな『こち亀』が全巻ありまして。2,3才の時から読めないけれど、父の真似をして読み始めてから、面白くて読んでいます。『こち亀』で父ともコミュニケーションが取れています。
 父は教員で、インタークラスや留学専用コースを受け持っていた影響もあったと思いますが、母国語の日本語をしっかり学ぶことが必要だという方針が基本にありました。それがわかったのは、小学校5,6年生で英語を習いたいと両親にお願いしたら、父が「今はまだやるタイミングではない。ちゃんと日本語をやってから英語なり何なりやりなさい」と言われました。この後の留学から帰国後にわかったことですが、他の帰国子女を見ていると、どちらかの言語がしっかりしていないと、教室での発表やライティングやレポートの時には論理的な表現や説明に軸がないなと感じることがあったので、その時言われた言葉はありがたかったなと思いました。
 母は体育会系で、「体を動かしなさい」と小さい頃から教えられていました。幼稚園の帰りはバス停近くの公園で毎日遊んでいましたし、外で沢山遊ぶことも、中学でバスケットボール部に入るきっかけにもなりました。勉強面では何も言わず「やりたいことをやりなさい」と応援してくれています。
才能育み教室の宿題は、次の日の朝に
―才能育み教室に小学校1~3年生通っていましたね。思い出はありますか?
果穂奈  平日学校がある日は帰ってから遊びたいタイプでした。そうなるとやはり宿題が大変だったので、どうにか終わらせる方法はないかと母が考えた結果、育み教室がある土曜日の翌日の日曜日の朝、二人でファミレスに行って基本的な宿題を終わらせるという方法を取り入れました。ファミレスは好きだったので行けて嬉しいですし、環境が変わって集中して宿題もできるのは良かったですね。もちろん、土曜の居残りの時間も活用していました。ですが、日記はかなり苦戦していて、週に3回書けばいい方で(笑)あとは、運動が好きなので、三学年合同の運動会が特に楽しかったです!
 育み教室を卒業した後は、小学校4年生から中学受験を目指して塾に通い始めました。小学校6年生の夏に父の渡英が決まり、帰国後に再入学の受け入れをしていた『 学芸大学附属国際中等教育学校』を目指し無事に合格。才能育み教室で二学年分先の漢字を学んでいたのと計算問題の基礎学力をしっかりと身につけていた事が、受験でも役立ったと思います。
「このままでは駄目だ。どうにかしないといけない」
―中学1年生の5月にロンドンへ留学されましたが、英語をどの様に習得しましたか?
果穂奈
 ロンドン日本人学校へ入った時点では英語力はほんの少ししかありませんでした。お友達になった女の子の中で、とても英語が堪能な子がいました。アメリカに住んでいたという彼女に「何故そんなに英語ができるの?」と聞いたら「現地校に行って泣いた」と赤裸々に話をしてくれた時、楽して英語を身に着けたわけではないという事実に衝撃を受けたのです。1年後の帰国が決まっていた学校での環境が、帰国子女ばかりであることは明確でしたし、意識をしていたので「このままでは駄目だ。どうにかしないといけない」と思い、現地校に通うことを決意しました。
 実際に中学2年生から現地校に通い始めたものの、最初の1カ月は泣いてばかりでした。言葉の壁が大きく、何を言っているか理解できないし、授業で何を言っているかもわからない。学校に行きたくないと泣きました。心配して友達が話しかけてくれるのですが、それも何を言っているかわからず、申し訳ない気持ちと悔しい思いが混在していました。学校を休むこともありましたが、行くしかないと思って通っているうちに、少しずつ聞こえる様になったのです。そう気付いた時は三カ月経っていましたね。マンモス校で生徒数が多く、何か困った事があった時は自分から発言しないといけない状況だったのも、上達した要因かもしれません。
英国は“知識”を使って答えを考える授業
―日本の教育と英国の教育の違いはありましたか?
果穂奈
 私の好きな教科である歴史の授業を例にすると、日本では教科書を見て、先生が板書して、この用語 を覚えて…という流れですが、英国はその様な授業は全くありません。“問いに答える為にどうやって情報を使うか”。授業は動画と資料を観て、答えがない答えを書かせるというのが主流でした。歴史が好きだったので“こうやって知っていくのは楽しい”と思えたのがきっかけでした。先生が資料として風刺画や歴史家の意見を配布して“知識”を得て答えを考えることが重要でした。日本での教育よりも詳細で深い歴史の理解が求められることを感じましたね。?
美術鑑賞と分析から歴史を学ぶ
―中学3 年生の4月に帰国した後、学校の授業にギャップを感じませんでしたか?
果穂奈
 学芸大学附属国際中等教育学校は帰国子女が多かったですし、研究校という事もあり、色々実践を取り入れた授業だったので英国とのギャップは感じなかったです。
 高校では、国際バカロレアという教育コースがあり、希望して選択しました。16人のクラスでしたね。
その中に芸術ビジュアルアートという授業がありました。それまでは絵を描くのがあまり上手くなくて美術は嫌いでしたが、そこで初めて美術鑑賞、美術の分析の授業があり、作品は時代の背景から描かれ、感情が表されているという『 歴史』が関係してくる事を学び、「あぁ、面白いな」と実感しました。先生がイギリス人だったこともあり、イギリス人作画のターナーの絵から『 光の表現』の分析もしました。絵を通して歴史を知っていくのが本当に面白くて。その授業をきっかけに、美術作品の持つメッセージ性について興味を持ち、今でも美術館に足を運んで楽しんでいます。特に印象派から現代の絵は歴史が絡んでいる作品が多いので好きですね。
今に生かすためにどう学ぶか
―筑波大学に進学を決めたきっかけと将来の夢について教えてください
果穂奈
 高校でのバカロレアの授業は「今に生かすためにどう学ぶか」という事を教えてくれました。高校という若い年齢の時にこれを学ぶというのは凄く良いなと思ったのがきっかけで、世界基準の教育プログラムである国際バカロレアの歴史の教員になりたいという夢ができたのです。そこから教育の総本山の筑波大学に進学先を決めました。父からも研究職を目指すなら筑波大学が良いという勧めもありました。
 国際バカロレアの教員 になると、英語で歴史を教える必要があるので、これからは学位レベルの英語力を身につけたいと思っています。
後々になって活きる古典を教える大切さ
―才能育み教室の生徒から、数年経て教える立場になりましたが。
果穂奈
 自分が小学生の時には特に意識せず学んでいた読み物、百人一首ですが、教える立場になると“こんなに深い事をやっているんだ”と改めて気づかされました。大学生になって本を読むと孔子の論語の解説が出てきますが、深い意味があるんですよね。小学生の時にただ暗唱していた言葉に対して、「あ、こういう意味だったんだと」再認識する機会が多いです。「後々になって活きていく事」を子ども達に教えている事にやりがいを感じます。抵抗感がない時に色々な言葉を覚えておくのは、本当に良いことだと思いました。
日本語の魅力を教えてくれた場所
―魚山さんにとって、東京いずみ幼稚園とは?
果穂奈
 日本語の魅力を教えてくれた場所。英語と比較して、“曖昧な表現”が出来るのが日本語の魅力です。百人一首などはかなり遠回しに相手に伝える表現ですよね。さらにその言葉で歌にしたり、リズムをとったりするのが面白いと思います。英語には比喩表現くらいしかないので。
物怖じせずにぜひ挑戦を
―在園児、小学生、留学に興味がある中高生にメッセージを一言お願いします。
果穂奈
 私は、中学時代の英国での経験や、大学での生活を通して、環境を変えることで初めて気づくことが多いことを強く実感しました。留学に問わず、環境を変えることに物怖じせずにぜひ挑戦してみて欲しいです。
 
これから大学の交換留学としてスコットランドへ一年間留学予定の魚山さん。スコットランドはイギリスとはまた違う教育方針があり、とても楽しみにしているというお話でした。また、大学の寮に入って実質一人での海外生活は少し不安もある様ですが、新たな目標に向かってチャレンジするエネルギーに溢れた魚山さんを応援しています!ありがとうございました。
   
プロフィール: 筑波大学 社会・国際学群 国際総合学類 2年生
         平成22 年東京いずみ幼稚園卒園 才能育み教室 8期生才能育み教室 講師
 
   
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